こんにちは! ブログ担当の渡邊です。
今回は前回に引き続き、三味線のご紹介をしたいと思います。
何せ前回は棹とサイズの話だけで終わってしまうという(笑)…一本の記事では語り尽くせないのが三味線の魅力ということですね!
では早速まいりましょう♪
まず三味線の胴についてお話します。
三線の胴にはニシキヘビの皮、というのは何となくご存知かと思いますが、三味線の胴には犬や猫の皮を張ります。とは言っても、最近では動物愛護の観点から合皮を張っているものが多いです。合皮は人工的に作られた皮のことで、フェイクレザーと呼ぶこともあります。
猫の皮は「四つ皮(よつかわ)」ともいいまして、主に細棹や中棹に使用されています。四つ皮は薄いので、音の抜けが良く軽やかな音色になるそう。犬皮(けんぴ)は猫の皮よりも厚く丈夫なので、津軽三味線に使用されることが多いです。
弊社屈指の愛犬家・沢田さんはこの犬皮をどこから調達しているのかとても気になっていたそう。そうですよね…「動物の皮を張っている」なんて人によってはとても残酷に聞こえると思います。(私も毛皮のコートには反対ですし)
馬場さんによると、今は中国から輸入することが多いそうです。この回答に沢田さんも胸をなでおろしていました(良かった!)中国は犬を食べる文化がありますからね。私は大昔、中国に留学していましたが、さすがに犬を食べたことはないです。虫は食べましたけど(笑)
これは様々な見解があって当然だと思いますが、個人的には「自分の命をつなぐために動物の命をいただくのだから、骨も毛も皮も糞も何ひとつ無駄にしない」という遊牧民の考え方が好きですね。
ちなみに、弊社の三味線は合皮と犬皮がございまして、三線に関しましてはすべて合皮です。

こちらが弊社の三味線。合皮を張ったものになります。
馬場さんの三味線は紅木(こうき)でできているという話は前回させていただきましたが、ほかにはこんな材料も使われています。まず象牙。馬場さんの三味線の糸巻きと駒は、なんと象牙でできています! 象牙は年々価格が高騰し、入手も困難。そのため大変な高級品です。
こちらの白い糸巻きが象牙の糸巻きです。

こちらの駒は、象牙と竹を組み合わせて作られています。(白い駒を撮影しやすいように長谷部さんが自らの腕を黒バックにしてくれました☆)
弊社の駒は初心者の人でも扱いやすいプラスチックの駒なのですが、弦(糸)の張力に負けて壊れることもあります。駒…薄いんですよね。どうしても割れやすいところが玉に瑕…。

こちらは三線のウマと三味線の駒と並べたところ。三線は駒のことを「ウマ」と呼びます。
画像を見ても分かるこの薄さ。でも馬場さんの駒は頑丈そうな感じがしますよね。馬場さんは津軽三味線の奏者ですから、使う糸も太いです。細棹の糸の太さが大体15とすれば、太棹の場合は30。太いほど弾くのに力が要るので演奏は大変です。細いと弾きやすいですね。
そう、三味線の糸ってたくさん種類があるんですよ…!
弊社の三味線だと長唄や地唄に使われるケースが多いので、糸もそれに適した太さのものになります。大体「15-1」「13-2」「13-3」というところでしょうか。この場合、1弦に15の糸、2弦に13の糸を張るという感じです。ちなみに、1弦に一番太い糸を張ります。下の画像でいいますと、向かって左側から1弦、2弦、3弦となります。どうでしょう? 1弦が一番太いのが分かりますでしょうか?

演奏するときには胴の底辺から指三本を当てて位置を測り、その上に駒を立てます。このときに糸をしっかり伸ばしてあげると音色が良くなります。我々もメンテナンスをするときには、駒を立てて検品する前に「これでもか!」というくらい糸を伸ばします(笑) その際に毛羽立っているものやブツブツとした傷が入っている糸はないかチェックし、該当のものは新品と交換します。

そしてこちらが馬場さんのバチ。上はべっ甲、下は紅木でございます…! 見るからに高級!
べっ甲のバチは強いしなりにも耐えられ、耐久性もピカイチ。まさに津軽三味線にうってつけの素材ということですね。
こちらのバチをよく見ていただきたいのですが、角を結構丸くしていらっしゃいますよね。尖っているバチも持っているそうで、弾く曲によってどのバチで行くか変えるそうですよ。コンディションによって、「今日は腕の振りがいまいちかも」「糸に当たらないなぁ」と感じるときがあるそうで、そのときはバチを変えてみると。いやいや、すごくないですか? プロフェッショナルって感じ…。私もコンディションでリーマー(穴を開ける工具)変えてみようかなって思いましたよ(笑)
バチは尖っているほうが糸に当てやすく、丸いほうが当てにくいため、弊社のバチはその中間くらい(やや尖り寄り)に調整しており、初心者の生徒さんでも使用しやすいようにしております。

津軽三味線は「叩き三味線」ともいわれていまして、バチを糸に対して叩くように当てるのが特徴的。この「叩き」でダイナミックかつ重厚な音を出しているそうです。
弊社には津軽三味線がありませんので細棹の話になりますが、「バチってどんなふうに動かせば良いですか?」と聞いてみたところ、「20°くらい寝かせて、うちわを仰ぐ感じで弾きましょう」と教えてもらいました。皆さん、うちわを仰ぐ感じですよ…! で、実際やってみたらとても難しいです。手首が腱鞘炎になりそうでした(笑)
でも弾けるようになったら絶対気持ちいいですよね。私ゲームが好きなもので、ゲーム音楽を弾いている三味線奏者さんのYouTubeチャンネルをたまに視聴するのですが、レトロなチップチューンがかっこよく和風にアレンジされているのを聴くと「三味線ってかっこいいな~!」と思います。
長々と書きましたが(馬場さんの三味線もまさかここまで記事にされるとは思わなかったことでしょう)、ぜひ生徒の皆さんにも三味線の魅力に触れていただきたいと思います!
さて、「三味線がすごいのは分かった。でも教える人がいないんだよね」という方に朗報です。
こちらの馬場さん、これからは三味線の講師を務めてくれます…!
今まで箏やヴァイオリン、弦楽四重奏の講師派遣を行ってまいりましたが、今年からは三味線の講師派遣も承ります。
弊社のブログを読んで三味線にご興味を持っていただけましたら、ぜひレンタルだけでなく講師派遣もご検討いただけますと幸いです。まずはお気軽にご相談くださいませ。
今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました!
皆さまのお問い合わせを心よりお待ちしております。
